押し付け痴漢の冤罪被害者にならないためにできること

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痴漢犯罪に関するニュースが大きく取り沙汰されるようになりました。線路を走って逃げるという事件が大きく報道されるに伴い、一般の男性も防衛意識から痴漢冤罪に対する認識が上昇しているのではないでしょうか。特に「「痴漢を疑われたらまず逃走する」は本当に正しいのか?」の記事は、多くのSNSユーザーから反響を寄せていただきました。

また誤解されがちですが痴漢行為は手で直接触るといった分かりやすい行為だけではありません。「押しつけ痴漢」や「触らない痴漢」、また手の甲が当たっただけのような場合もあります。

そこで今回は

・自分の体の一部がわずかでも女性の体に触れたら「痴漢行為」に該当するのか?
・手の甲や腕、下半身の一部が、意図せず触れただけで、「痴漢行為」になるのか?
・冤罪・無実の罪をきせられないためにはどうすれば良いか?

などを解説して参ります。

1.押し付け痴漢とは

「押し付け痴漢」とはそもそも手以外の部分を女性の体にを押しつける行為を指します。多くの場合は、手の甲や腕、下半身の一部などを押し付けることが主流のようです。

しかし手で撫で回すなどのわかりやすい行為に出ているわけではないのに「痴漢である」と認定できるのでしょうか。

実はこれについては、痴漢の定義と関係してきます

意外と知られていない痴漢の定義

東京都や大阪府などの痴漢に関する条例を具体的にみてみると分かりやすいです。

・「人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法」
・「公共の場所又公共の乗り物において衣服その他身につける物の上から、又は直接に人の身体にふれること」
(東京都迷惑防止条例5条1項1号、大阪府迷惑防止条例6条1項1号)

と明記されています。つまり、「人に不快に思われるような方法で」、「体に触れたこと」が犯罪の成立要件になっています。

ここから考えると、体の一部だけを女性の臀部などに押しつける行為も、体を接触させる行為にあたりますし、また、女性の主観として「不快」といえる行為ともいえます。

このように押し付け行為だけしかなくても、痴漢犯罪と認定されてしまう場合があります。

1-3.新型痴漢。ストーカーなど、密着以外の手口も。

最近の痴漢の手口(新型痴漢)は巧妙化しています。一見して、「痴漢?」と言いにくいような手口で女性に近づいてくることもあるんです。「押し付け痴漢」だけではありません。

例えば、背後にたって、臭いをかぐ、じーっとみつめるという行動をとる人がいます。このような行為は、体に触れていないので「痴漢」として立件しにくく、女性や警察も対応に困っています。一度だけならまだしも執拗に何度も同じ駅で後ろに立つという場合では、警察に相談するケースも増えています。

これ以外にも、ストーカーのような行動にでる人もいます。気になる女性を待ち伏せして女性の後ろにぴったりと張り付く。触るわけではなく、満員電車で体が密着するのを待っているケースなどです。

これらの事例で共通するのは「触っていない」「自然に触れただけ」と主張し、「痴漢じゃない」というアピールをすることです。

しかし、「自然に触れること」であっても、痴漢になりえます。先ほど説明したように、「体に触れること」は痴漢の構成要件の1つ。もちろんこれだけでは犯罪は成立しませんが、故意があれば別です。たとえば電車で自然に触れたとしても、「触れたい」という思いから背後に立って、自然に体を密着させる行為は痴漢です。

上記のような行為態様の場合、故意の認定は難しいと思います。しかし、何度も同じような行為をする場合は、「触りたい」という気持ちがあったと認定できそうです。たまたま体が触れてしまっただけなら、すぐに体を離そうとするなどの選択肢があるともいえます。しかし、手がたまたま当たったふりをして、その手をそのままにして女性に触れた状態にしておくことは、痴漢行為となります。

このように、「押し付け痴漢」だけでなく新しい痴漢の形態、いわゆる電車での新型痴漢も増えています。女性としては、痴漢の手口が巧妙化し、卑劣に感じると思いますが、男性としても「勘違いのリスクが増えるのでは?」と不安になってしまいます。

2.手の甲は危険。でっちあげ痴漢にされてしまうケース

「勘違い」を防ぐためにも、どんな行為が痴漢犯罪認定されてしまうかチェックしておきましょう。

手の甲

2-1.どのような場合に痴漢扱いされる可能性があるのか

普通にしていても偶然に体の一部が当たることはあります。これは男性でも女性でも同じだと思います。

では、どのようなケースが「押し付け痴漢」と女性に思われてしまうのでしょうか。

まず、体の一部が触れるだけなら、女性側も気にしないことが多いはずです。一度、手の甲が触れる程度なら、女性も「勘違いかもしれない」と思うでしょう。しかし、数回手の甲があたり、動かす・撫で回す・上下に往復するような動きをすると体のどこの部位であったとしても不快に感じます。このようなケースでは、「痴漢だ」と認識される可能性があるでしょう。

2-2.「痴漢」と言われた場合どうすれば?対処法

では、女性の体に触れてしまった場合、どう対処すれば勘違いされないのでしょうか。

男性側からすると、意図せずあたってしまったのに「痴漢」と言われてしまうとどうしようもありません。しかし、普通、女性側も常に警戒して「この人痴漢だ!」なんて思ってはいないものです。

まずは、あたったら「すみません」といってすぐに離れましょう。満員電車ですぐに離れられない場合でも、手を上にあげるなど「痴漢ではありません」と意思表示をすることが大事です。

自分は悪くないという前提で「あーごめん」という素振りを見せるのもあまり良いことではありません。女性側の印象が悪くなるため、後々面倒なことになりかねません。人にぶつかってしまったときと同じように、「すみません」と丁寧にいうようにしましょう。

このように、意図的ではなく女性の体に触れてしまったケースでは、すぐに謝ってその場から離れるのが一番です。特に、手に関しては、「触られた」と思われやすい箇所でもあるので、ケータイをもつ、手をあげるなど「触ることが不可能である」という素振りを見せるのが賢明でしょう。

■参考ページ
駅での痴漢容疑・冤罪の対処法で絶対に知っておくべき全情報

3.普通の痴漢と「押しつけ痴漢」の違いは?

では、普通の痴漢と押しつけ痴漢との違いは何なのでしょうか。

まず、一般的な痴漢行為というのは、電車で手や指で女性の臀部や胸を触るといった行為のことでしょう。ひどいケースでは、スカートや下着の中に手を入れて直接体に触れるケースもあります。

他方、直接手で触らない痴漢は、偶然を装ったり、手の甲で撫で回すなど、わかりにくい方法で女性に触れようとします。女性側も、「勘違いかもしれない」と思い、最初は反応せず様子を見ることも多いようです。実際に、女性が訴えても直接的に触っていないことを根拠に「たまたまだ」と言い逃れするケースがほとんどです。この点、一般的な痴漢行為よりやっかいといえるかもしれません。

しかし、わかりやすい痴漢行為の場合でも、最初は手の甲で触れるなどして、様子を伺ってきます。そして、相手が気付かない、反応しない場合に徐々にエスカレートしていきます。したがって、実際には、手の甲で触るなどの様子を伺う行為はどちらの痴漢の場合にも共通しているといえるかもしれません。

痴漢行為をする人の問題点は、認識にあります。「最初に触れた段階で嫌がらなかった」という認識が、「嫌がっていないからこのまま触っても良い」という認識にすり替えられていってしまうことです

このように、押し付け痴漢も一般的な痴漢も根本的には同じです。異なるのは、行為態様ですが、押し付け痴漢が発展すると通常の痴漢と同じ行為に及ぶ可能性がある点では、さほど変わりはないでしょう。

4.痴漢に間違われてしまった。その後どうなる?

4-1.どんな刑罰になるか

では、「押し付け痴漢」として立件された場合どんな刑罰の可能性があるのでしょうか。

押し付け痴漢の場合、衣服の上から身体に触れるケースが想定できるので、迷惑防止条例違反となります。なかなか難しいと思いますが、仮に下着の中に手をいれた場合は、強制わいせつ罪となりますので、罰則はかわってきます。

衣服の上から触れたケースでは、「6ヶ月以下の懲役または、50万円以下の罰金」(東京都迷惑防止条例8条1項2号、大阪府迷惑防止条例17条1項2号)の罰則が科され犯罪となる可能性があります。

初犯の場合、示談と十分な反省があれば、不起訴になる可能性も十分にあるので、上記罪を免れる可能性もあります。また、「押し付け痴漢の場合、立件自体が難しいのでは?」という意見もありそうですが、上述した通り「触れた」事実があれば、他の痴漢と同様に立件の可能性はあります。もっとも、故意の点で争える可能性はあります。

このように、「押し付け痴漢」でも罪が課せられる可能性があるといえるでしょう。

4-2.弁護士に何を相談するか

押し付け痴漢は犯罪です。しかし、本当に故意なく触れてしまい、女性側から訴えられるケースもあります。また、触れてないのに「押し付け痴漢だ」とでっち上げられてしまう可能性もあるでしょう。この場合どうすれば良いのでしょうか?

まず、その場でできることは逃げずに論理的に説明することです。

駅員がやってきて、女性が訴えた場合に、まず相手の主張を聞き、論理的に説明していくことが重要です。女性と自分との車内での位置関係を基に、触れることは可能な位置だったのか否か、ケータイを触っていたなど痴漢行為は不可能だった事情、あるいは「一度偶然にあたってしまった」が、「すぐに手をひいた」ので故意ではないなど、できるだけわかりやすく伝えるようにしましょう。また、駅員室には行かず、大勢のいる前で話す方が良いでしょう。

これでも厳しい場合は、すぐに弁護士を呼ぶべきです。電車の中で当事者同士で「あーでもないこーでもない」と言っていても埒があかないときもあるからです。第三者をたてて、公平に話をすることも重要です。

■参考ページ
盗撮・痴漢で逮捕→「すぐに弁護士に相談ください!」は本当に可能か?
痴漢弁護士費用と安く抑えるポイントをわかりやすく解説

このように、まずは論理的に大勢のいる前で否定をすることが重要です。それでも気が動転してしまった場合は、すぐに弁護士を確保することが大切です。痴漢保険なども最近ではメジャーになりつつありますが、自分で弁護士事務所の電話番号などを事前に用意しておくこともできます。当サイトでも簡単に見つけることができますので、地域の弁護士事務所や痴漢に強い弁護士事務所をあらかじめチェックしておくことも予防策になりえるでしょう。

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