痴漢の在宅捜査の流れ|実刑にならないために必ず必要な全知識

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在宅起訴

痴漢事件を起こしてしまった場合、この先どうな流れになるのか不安になる方も多いでしょう。

  • 「被害者に謝罪をしたいがどうしたらいいかわらない」
  • 「家に戻れないかもしれない。報道されるかもしれない」

など様々な不安が想定できます。

しかし、多くの人が勘違いしていることですが、逮捕された場合でも必ず、留置場などの刑事施設で勾留されるとは限りません。

在宅事件といって、身体拘束をうけずに捜査を受けることができる場合もあります
。この記事では、どのような場合に在宅事件になるのか、注意すべきことや理解しておくべきこと、そして不起訴処分となるために必要なこと、などを解説したいと思います。

1. 在宅事件とは

1-1. 在宅事件とは、刑事施設に拘束されない扱いのこと

まず在宅事件とはどのような事件のことをいうのでしょうか。

在宅事件とは、在宅起訴扱いになった刑事事件のことをいいます。つまり、留置場などの刑事施設にいる必要がない場合を指します。簡単にいうと、「捜査はするけれど、自宅にいても良いよ」ということです。実際には、逮捕もなくそのまま家に帰って良いケースと、逮捕後に検察に送致された段階で釈放されるケースがあります。

身柄事件の全体事件における比率は、36.2%です(平成29年度犯罪白書)。言い方を変えれば、刑事事件は在宅事件の扱いが多いということになります。

1-2.逃亡の恐れや罪証隠滅の確率が低い

では、在宅事件になる要件は、どのようなものなのでしょうか。

まずは、軽微事件であることです。具体的に言うと、実刑で懲役刑のみではなく、30万円以下の罰金、拘留、科料(刑事訴訟法60条3項、217条)が定められている刑罰にあたる場合です。例えば、殺人事件など重大事件は実刑で懲役刑のみですので、通常在宅起訴扱いにはなりません。これ以外でも、態様が比較的軽い場合には在宅事件として認められる場合があります。

次に、逃亡の恐れや罪証隠滅の確率が低いこと(同法60条1項2号、3号)です。拘留されないことを利用して、逃げ出したり、証拠を隠したり壊したりする場合があっては捜査に支障が出ます。したがって、これをするおそれがない場合にのみ、在宅事件として認めているということです。

逃亡のおそれは、定住している場所があり、同居家族がいる場合には「ない」と判断されることが多くなります。罪証隠滅のおそれについては、証人や被害者に接触のおそれがない場合などに認められやすいといえます。これ以外にも、定まったの住所がある場合(同法60条1項1号)というような要件もあります。

このように、在宅事件にするためには様々な要件がありますが、一番重要であるのは「逃亡の恐れや罪証隠滅のおそれ」がないということです。一般的には、罪自体を認めている場合や、反省の色が見える場合、家族と同居している場合には認められやすいといえるでしょう。

2. 在宅事件と身柄事件との違い

2-1. 身柄事件とは

では、在宅事件と身柄事件との違いはどこにあるのでしょうか。

身柄事件とは、事件後逮捕・勾留され、留置場などに拘束され取り調べを受ける事件のことをいいます。上述した在宅事件とは、身体拘束の有無の点で明らかな違いがあります。

これ以外にも、一般的には以下のような違いがあります。

2-2. 長い?在宅起訴は期間に注意

まず、在宅事件の場合、事件が長期化してしまうということ。

身柄事件の場合は、身体拘束の期間が起訴前で23日間と法律上厳しく定められています。しかし、在宅起訴の場合は、身体拘束という重要な人権上の制限がないため、期間の設定はありません。捜査開始から起訴・不起訴決定までに期間が数カ月かかることもあり、事件が長期化してしまいます

次に、弁護士を選任する決定的な機会がないこと。

身柄事件の場合は、弁護士が選任できることを捜査官から告げられます(刑事訴訟法203条1項)。そして、自分で弁護士を雇う金銭的余裕がない場合は、国選弁護人が選任されることになります(同法203条4項、37条の2)

他方、在宅事件の場合は、身体拘束がないため自分で弁護士を選任しない限り、弁護士の援助をうけることができません。

刑事事件が起きた場合には、被害者との示談は起訴・不起訴の判断に重大な影響を及ぼします。しかし、在宅事件の場合、加害者本人側は被害者へ接触することは禁止されているので自ら示談交渉をするのが難しい状況にあります。このような場合、弁護士に任せるのが一番なのですが、実際には在宅事件になることにより弁護士選任の決定的機会を逃してしまうこともあります

このように、在宅事件では、自宅にいることができるというメリットがある一方で、事件の期間が長い期間になりそうなことや弁護士選任の機会の逃すケースがあるというデメリットもあります。

【参考】痴漢容疑における在宅事件と身柄事件の違いをわかりやすく解説

3. 痴漢事件の在宅起訴とその後の対応

3-1. 痴漢で在宅事件になるケースとは

では、痴漢事件で、在宅事件になるケースはどんな場合でしょうか。

まず、迷惑防止条例違反となる場合です。

痴漢事件は、迷惑防止条例違反の場合と強制わいせつにあたる(刑法176条)として刑事事件になる場合とにわけることができます。迷惑防止条例違反として逮捕された場合、行為の態様にもよりますが比較的軽微な犯罪ということで在宅事件になりやすいといえます。

次に、同居家族がいる場合です。

基本的に痴漢事件では、被害者の情報を持っている場合が少なく、罪証隠滅のおそれがないと認められやすいケースといえます。また、同居家族がいる場合は比較的在宅起訴として認められやすいといえるでしょう。

最後に、十分な証拠があるといえない場合です。

加害者自身が、犯行を否認しており、十分な証拠があると言えない場合に在宅事件となる可能性があります。具体的には、加害者とされる側にも言い分があり、その言い分にも根拠があるとして否定できない場合です。このような場合は、犯人だと言い切れないため、重大な人権制限となる身体拘束はできないということです。

このように、迷惑防止条例扱いになった場合や、同居家族が居る場合、加害者の言い分を否定できない場合に在宅事件になりやすいといえるでしょう。もっとも、個別事件によって具体的事情は異なりますので、絶対の基準でありません。目安程度と理解しておきましょう。

3-2. 呼び出しされた!痴漢で在宅事件になったとき注意すべきこと

では、痴漢で在宅事件になった場合、流れ上注意すべきことは何でしょうか。

まず、在宅事件になった場合、捜査機関からの電話や呼び出しには誠実に対応しましょう。仮にその後連絡を無視したり、呼び出しをすっぽかしたりすると、逃亡・罪証隠滅のおそれがあるとして身柄事件に切り替える可能性もあります。

また、不安になって逃げようとしたり、被害者に直接会いに行ったりするのも厳禁です。

在宅事件の場合は、身柄事件と異なり捜査から起訴まで数カ月かかることもあり、ずっと不安な状態が続きます。この間に逃げようとしたり、規則を破ることがあれば、逮捕され身体拘束がなされます。弁護士を通さず自分で被害者に示談をするように働きかけるなどは絶対しないようにしましょう。

最後に、理解しておくべきことは、在宅事件になったからといって、不起訴処分になるとは限らないということです。在宅事件は比較的軽微な犯罪が多いため、不起訴になる可能性が高いともいえます。しかし、これは絶対ではありません。犯罪行為の態様など個別のケースによって異なります。悪質と判断された場合には、「罰金だけでなく懲役刑になる可能性もある」ということを理解しておきましょう。

このように、在宅事件になった場合でも、その後に起訴・勾留の可能性があることには変わりありません。逃亡や罪証隠滅のおそれがあると捜査機関に誤解されないよう、自身の行動には気をつけましょう。

4. 痴漢の不起訴処分は無罪なのか

4-1. 痴漢で前科をつけないためには、略式起訴でも不起訴処分が必要

痴漢事件として捜査されてしまうと、不起訴でも無罪とならず、前科がつくのでしょうか。

結論からいいますと、不起訴の場合、前科はつきません。また勘違いされがちですが言葉の意味上、厳密には「無罪」ではありません。これらのことについては、不起訴処分と前科の関係について理解しておくことが大切です。

まず、不起訴処分とは、捜査の結果、当該被疑者につき公訴提起しないことを決定する検察による処分のことをいいます。証拠不十分の場合や、起訴猶予処分にする場合も含まれます。

そして、前科とは、起訴後に有罪判決を受けた場合のことを指す一般用語です。法律上、前科という言葉はありません。略式起訴事件で罰金刑などの比較的軽い刑に科せられる場合でも前科はつきます。

このように、前科をつけないようにするためには、不起訴処分を受けることが重要です。

4-2. 実刑の可能性は。不起訴を勝ち取る理由は3つ

では、実刑ではなく不起訴を勝ち取るために必要な条件はなんでしょうか。
不起訴処分の理由は次の3つとなります。

  • 第1に、「嫌疑なし」と判断されることです。これは無実が証明された場合を想定しています。他に犯人がいる場合には、冤罪となってしまいますので「嫌疑なし」を理由とし、不起訴処分となります。
  • 第2に、「嫌疑不十分」となること。これは被告人が犯人であるとする証拠が少なく、十分とはいえないときが想定できます。痴漢行為があったかどうかは定かでなく、有罪にいたるほどの証拠がない場合に「嫌疑不十分」となります。刑事訴訟法の大原則である「疑わしきは罰せず」というルールが適用されます。
  • 第3に、「起訴猶予処分」となることです。軽微の犯罪である場合や、十分に反省している場合、初犯である場合、示談が成立している場合などが起訴猶予処分の判断材料となります。

弁護士としては、痴漢行為自体を認めている場合は、起訴猶予処分を目指すことになり、痴漢行為自体を否認している場合は、無罪である「嫌疑なし」か、証拠不十分とする「嫌疑不十分」を目指していくことになります。

4-3. 示談が不起訴の鍵になる

痴漢事件において刑を軽くするために一番重要なことは示談をまとめることです。起訴前に告訴を取り消してもらうことや、不起訴処分となる確率を増やしていきます

改正前の強制わいせつ罪は、親告罪(被害者の告訴がなければ起訴ができない)でしたが、昨年の刑法改正により、親告罪とする条文が削除されました。この場合でも、示談が重要なことには変わりありません。

また、迷惑防止条例違反の場合は、告訴は必要ありません。仮に、初犯で示談が成立すればほとんどの場合起訴されずに済みます。この場合、前科はつきません。もっとも、以前にも同じような痴漢事件を起こした場合は、示談があっても起訴され罰金・裁判を受け実刑で懲役となる可能性があります。

このように、痴漢事件では、示談解決が重要です。絶対ではありませんが、示談が成立するかどうかが起訴・不起訴の重要な分岐点となってきます。

【参考】痴漢で逮捕された!前科をつけない、不起訴にしたい、その方法は?

5. 在宅事件で弁護士に依頼するメリット

5-1. 示談交渉が頼める

では、痴漢事件において弁護士に依頼するメリットとはどんな内容でしょうか。

まず、示談交渉ができる点です。

在宅起訴事件であろうと身柄事件であろうと、加害者は被害者に対し直接示談交渉をすることができません。被害者の立場から考えてみてください。加害者がいくら「謝りたい」と言っても、自分に危害を加えた人に対し直接会ってもよいという方はごく稀です。できれば会いたくないと考えるのが通常です。

このような事態になった場合、謝罪どころか示談すら進みません。もっとも、弁護士がいる場合は別です。弁護士ならば「会ってもよい」という被害者の方も多く、示談交渉の期間も短くスムーズに進むことが多いといえます。

5-2. 不起訴処分にするための必要な証拠集め・助言をしてくれる

次に、検察に対し「法的に意味のある説明」ができるという点です。

否認事件の場合、「やってない」と主張しても否認という1つの事実として判断されるだけで、無罪や不起訴処分にはなりません。仮に証拠が出揃っている場合は、自分1人で証拠を崩していくのはすごく難しいことになってしまいます。この点、弁護士は専門家です。

検察官に対し、法律上無罪や不起訴処分に必要な証拠を集めることができます。また、検察官に事件のときの状況を説明する場合も、「やってない」ことを伝えるため、話し方などの適切なアドバイスをすることができます。そうすると、結果的に不起訴処分や無罪判決を獲得する可能性が高くなります。

このように、痴漢事件の場合は専門家である弁護士に任せる方が、示談交渉も実刑までいかないように不起訴処分までの流れ、道のりや期間も短くスムーズに進むこととなるでしょう。最近では無料相談を受け付けている法律事務所もたくさんあります。まずは、相談することから始めてみましょう。

【参考】
「在宅事件」と注意点!痴漢をしてしまったけど逮捕されない

痴漢・盗撮事件で一人で悩んでいませんか?

  1. 被害者と示談したい
  2. 痴漢・盗撮を会社に知られたくない
  3. 痴漢・盗撮で家族・子供が逮捕された
  4. 痴漢・盗撮で警察に呼ばれた
  5. 前科を付けたくない
  6. 痴漢・盗撮事件で不起訴にしたい

弁護士に相談することで、これらの問題の解決が望めます。
後悔しないためにも、1人で悩まず、今すぐ弁護士に相談しましょう。

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泉総合法律事務所・新橋本店
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