接見とは?|弁護士に相談すべき理由と接見禁止の一部解除について
もしも家族が痴漢や盗撮などの容疑で逮捕された場合、「痴漢は性犯罪の中では軽い罪だから、すぐに本人と面会できるはずだ」…[続きを読む]
「夫・息子が逮捕された」と聞くと動揺するのは当然でしょう。
「逮捕された本人の言い分を聞くことはできないのか」「家族にできることはないのか」「どれくらいの期間になるのか」など、多くの疑問が浮かぶと思います。
この記事では、留置場と拘置所の違い、また警察に逮捕された人がどのような場所に拘束されているのか、その中で家族ができることは何かについて解説します。
罪を犯した場合、警察官に逮捕されることがありますが、この場合、警察署に連行されて「留置場」または「拘置所」に留置されます。
そして、逮捕に引き続き「勾留」された場合も、留置場・拘置所にて身体拘束されます。
なお、勾留による身体拘束は10日間〜20日間の期間続きます。勾留が終了するまでに、検察官は被疑者を起訴するか否か決定します。
起訴された場合は裁判となります。
留置場とは、被疑者の身柄を収容する施設のことで、警察署に設置されています。全国に約1300か所あります。
留置場は「代用監獄」と呼ばれます。本来、逮捕された被疑者は拘置所で身柄拘束をしなければならず、留置場は例外的に利用されるべきものなのですが、実際は起訴されるまで留置場で身柄拘束されています。
このような留置場の利用の仕方については、捜査している警察の施設にずっと留め置かれるということになり、自白強要の温床になる等の理由で国際的には批判されています。
この対策として、警察としても、留置場の管理は「留置管理係」という、捜査をする部署とは違う部署が管理するということを徹底するというような方策を取っているようです。
なお、多くの場合、例えばA警察に逮捕されたら、A警察署内の留置場に身柄拘束されます。
しかし、共犯がいる場合などには、「一人はA警察署の留置場に置かれるけれど、もう一人はB警察署の留置場に送られる」ということもあります。
また、女性専用の留置場を備えている警察署などもあるので、女性の被疑者は、捜査している警察とは違う警察署の留置場にいるということもあります。
拘置所とは、被疑者や被告人の身柄を収容する施設のことで、各都道府県に設置されており、法務省の管轄下にあります。
拘置所は全国に8か所あり、証拠隠滅や逃亡を防止するために、裁判が終わるまで身柄拘束される場所です。
また拘置所は刑務所とは異なり、あくまでも犯罪の容疑がかかっている人が裁判を待つために拘束されている場所です。
そのため、刑務所よりは自由度が高いと言われています(それでもさまざまな規則・制約はあります)。
各所によって違いはありますが、留置された場合の生活は以下のようになっています。
もっとも、1日中取調べを受けるということはありません。取調べを受けていない時間は自由時間となります。
自由時間中は警察署に備え付けられた、あるいは家族から差し入れられた本を読むこと人が多いようです。
なお、入浴は週に何回か可能です。
では、実際に家族が逮捕・勾留されてしまった場合、家族は面会することができるのでしょうか。
逮捕中の72時間は、基本的に家族が面会することはできません。
着替えなどの差し入れは受け取ってもらえることが多いですが、あくまでも、その警察署の規則に従います。
被疑者も、逮捕中は取調べ・勾留質問のために検察庁・裁判所に行くことになり、昼間は留置場にはいないケースも多いです。
一方、弁護士はいつでも面会できますし、仮に夜間でも被疑者に会いに行けます。よって、逮捕後早急に被疑者の様子を家族に伝えたり、伝言を受け持ったりすることができるのです。
逮捕後に勾留をされてしまったケースでは、逮捕直後とは違い、被疑者が接見禁止でなれば、その家族は留置場に面会に行くことができます。
家族との面会は、おおよそ平日の午前8時〜午後4時までの間で、15~20分と時間が決められています(時間については警察署ごとに決まりがありますので、事前確認が必要です)。
また、面会中は立会人がいます。
家族に限らず、友人などでも同じルールで面会ができます。ただし、警察署によっては「1日1組までしか面会できない」などの決まりもありますので、こちらも事前確認が必要です。
起訴されると、本人は拘置所に移送されます。そのため、家族は拘置所で面会をすることになります。
拘置所でも、留置場同様に「平日の昼間」しか面会ができません。時間制限があり、立会人もいます。
逮捕直後に被疑者の家族ができることを簡単に解説致します。
勾留された後、接見禁止になっていなければ、家族は本人と面会することができます。
一日に15~20分程度だとしても、家族と会えることは被疑者にとって大きな安らぎになります。
着替えの他にも、本などを差し入れすることができることがあります。警察署の規則をよく確認して、本人の好きな本や手紙を差し入れしてあげれば、本人も気が紛れるでしょう。
また、お金の差し入れも必要です。留置場及び拘置所では、もちろん食事は支給されますが、自分でお金を出して、お弁当やお菓子を買うこともできるのです。
本人が犯行を認めている場合、一番重要なことは、被害者の方に対して反省の意を示し、示談をすることです。
しかし、弁護士としても、家族が示談金を準備してくれなければ、被害者に示談のお願いをすることができません。
そこで、できるだけ早く示談金の準備をすることが重要です。
起訴前の勾留中に示談が成立すれば、不起訴処分(起訴猶予)になる可能性もあります。
仮に起訴をされてしまったら、起訴後は「保釈の申請」をするのも良いでしょう。
なぜなら保釈が認められると、裁判までの期間を、拘置所ではなく自宅で過ごすことができるからです。
また、その際には「保釈金」が必要になります。
起訴が見込まれる場合には、必要と思われる金額を弁護士に聞いて準備をしておいた方がいいでしょう。
また、家族は、保釈の際の「身元引受人」になり、誓約書や身元引受所に住所や氏名を記載します。
身元引受人は、捜査機関や裁判所と約束した条件(被告人と同居すること等)を遵守する必要がありますので覚えておきましょう。
先述のように、逮捕された場合、被疑者の家族が面会できる機会は限られています。
しかし、家族とは違い、弁護士ならいつでも被疑者と面会できるので、弁護士は家族と本人をつなぐ窓口となってくれます。
また、逮捕された被疑者とその家族としては、何としても起訴処分を回避したいでしょう。
そのためには、被害者と示談をすることが重要です。しかし、たとえ示談金を用意できたとしても、被疑者本人やその家族が被害者と直接示談をするのは困難です。
示談交渉経験豊富な弁護士に依頼すれば、被害者との示談交渉も行ってくれるため、不起訴獲得の確率が高まります。