痴漢で現行犯逮捕されると冤罪でも無罪にはならない?
「痴漢です!」と被害女性から名指しで言われるとそのまま駅員室に連れていかれ、警察が来るとそのまま現行犯逮捕…ということもあります。現行犯逮捕されると確実に有罪になってしまうでしょう。
ここでは痴漢による現行犯逮捕、また無罪を獲得できるのかについて考えてみましょう。
ほとんど有罪?無実の罪でも
実際は痴漢行為をしていなくても、痴漢をしたと断定され警察に現行犯逮捕されてしまうと、無罪を勝ち取るのは難しいケースが多いです。冤罪であっても、警察による厳しい取り調べを受けてしまうと、普通のサラリーマンなどは早く解放されたいという思いが先立ちます。
無実を訴えるよりも罪を認めた方が早急に釈放されるということもその一因でしょう。
そもそも現行犯逮捕とは
痴漢行為は現行犯逮捕によって検挙されるのが一般的です。
現行犯逮捕とは罪を行い、現に罪を行い終わったという意味になります。
また犯人と推測されるような明白な証拠が残っていて、犯行終了から間がなく、明らかに犯人であると認められるような準現行犯というカテゴリーも存在します。
犯人が特定の犯罪を行ったことが明白で、誤認逮捕の恐れが少ない場合は、警察官以外でも逮捕状なしに現行犯逮捕することができるのです。
痴漢における現行犯逮捕
痴漢における現行犯逮捕は痴漢の被害にあっている現場を別の第三者が視認していることが稀なケースが多く、物証や第三者の証言など客観証拠もなく、被害者の供述が唯一の証拠になることが多いという特殊性があります。
被害女性が体を触って動かしている手をはっきりと確認しておらず、この人が触っているので違いないと被害女性が思い込んでしまうケースはあります。またすし詰め状態の満員電車の中で体が押し付けられた状態になって、その押し付けられた被害女性が痴漢と勘違いしてしまうということもあります。いわゆる押しつけ痴漢です。
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押し付け痴漢の冤罪被害者にならないためにできること
このような被害女性の勘違いによって冤罪になり、現行犯逮捕されてしまう加害者男性は後を絶ちません。
また、女子高生の後をおって、エスカレーターに乗り、その不自然な行動に警察が気づき「盗撮」行為を目撃され、現行犯逮捕されることもあります。
痴漢に強い弁護士なら示談できる可能性あり
実際には痴漢をしていないにも関わらず加害者に仕立てられて、「この人痴漢しました!」と言われて現行犯逮捕されると、その無実を訴えるのは非常に難しいです。
しかし専任の弁護士を立てることができます(当番ではなく、私選弁護士)。無実の場合には様々な対処法を取ることもできます。
弁護士は示談・不起訴のプロフェッショナルです。逮捕され起訴されたときに失うものが多すぎる方は、ぜひ一度相談してみてください。
現行犯逮捕の要件充足性を検証することが大切
満員電車での痴漢行為で、被害者自身が現行犯逮捕した場合は、本当に現行犯逮捕の要件が満たされているのかをきちんと確認する必要があります。しかし感情的になっていたり動転しているとそれも難しいでしょう。警察の方には、要件が満たされていない場合には逮捕された加害者をすぐに釈放をして捜査を進めていってもらえればと思いますが現実的には難しそうです。
絶望的な状況を打破するために、まず痴漢に強い弁護士に依頼して無罪を獲得していきましょう。