軽犯罪法をわかりやすく解説|罰則・逮捕後の流れなど

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軽犯罪法とはその名のとおり軽犯罪つまり、軽微な犯罪を禁止し、違反した方に罰則を科すことを規定した法律です。

もっとも、何が軽微な犯罪にあたるのか詳しくご存知の方は少ないはず。そこで、この記事では

  • 軽犯罪法が禁止する行為や罰則、時効
  • 軽犯罪法で逮捕されるための条件
  • 軽犯罪法で逮捕された後の流れ

などについても詳しく解説してまいります。

軽犯罪法の基礎知識|のぞき・盗撮・つきまとい

まず、軽犯罪法が禁止する内容と罰則、時効について解説します。

⑴ 軽犯罪法が禁止する行為

軽犯罪法1条では1号から34号まで禁止する行為を挙げています。

以下では比較的検挙されることが多いと思われる行為をピックアップしています。

 

内容
2号正当な理由なく、刃物等を隠して携帯する
13号行列に割り込み、列を乱す
16号公務員に対して嘘の犯罪又は災害事実を申し出る
18号扶助を必要とする人、死体等を発見しながら公務員に申告しない
20号公衆の面前で身体の一部を露出する
23号正当な理由なく、住居等の場所をひそかにのぞき見る
26号公衆の場所で大小便などをする
28号他人の進路に立ちふさがる、他人につきまとう
32号入ることが禁じられた場所や田畑に正当な理由なく入る
33号他人の家屋などにはり札をする、看板・掲示物などを取り除く
34号人に誤解を与えるような広告をする

以上のように軽犯罪法の内容は多岐にわたります。

次に、この中でも特に多い「のぞき見」、「つきまとい」について詳しく解説します。

⑵ のぞき(23号)について

23号では次のように規定されています。

■23号
正当な理由がなくて、人の住居、浴場、更衣室、便所その他通常人が衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者

ここで言う「正当な理由がない」とは違法であるということで、具体的には、世間感覚からして正当と許容されるような理由、方法ではないことをいいます。

また「人」とは自分以外の人のことで、面識のない人はもちろん「家族」「知人」なども含まれます。

なお「住居」「浴場」「更衣室」「便所」は「通常人が衣服をつけないでいるような場所」の例示にすぎません。

したがって、ここに掲げられている場所以外の場所、たとえば授乳室なども「通常人が衣服をつけないでいるような場所」にあたる可能性があります。

また「のぞき見る」とは「直接肉眼で見る」ことのほか「カメラ等で撮影しながらその映像を見る」ことも含まれます。

ただ問題は「カメラ等で撮影する」こと(いわゆる盗撮)が「のぞき見る」にあたるかです。

なぜなら、カメラ等で撮影しただけでは「のぞき見た」にはあたらないとも考えられるからです。この点、裁判例の多く(福岡高判平成27年4月15日など)は、カメラ等で撮影すること自体が「のぞき見た」にあたるとするとしています。

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⑶ つきまとい(28号)について

28号では次のように規定されています。

■28号
他人の進路に立ちふさがって、若しくはその身辺に群がって立ち退こうとせず、又は不安若しくは迷惑を覚えさせるような仕方で他人につきまとった者

上記で言う「不安若しくは迷惑を覚えさせるような」とは、実際に他人に不安若しくは迷惑を覚えさせたことまでは必要ありません。

こうした仕方であるか否かは、つきまといの目的(ナンパ、勧誘、復讐、ストーカーなど)や態様(方法距離、時間)などの客観的状況から判断されます。

⑷ 軽犯罪法の罰則、公訴時効

罰則は1号から34号の行為につきすべて「拘留(こうりゅう)又は科料」です。

「拘留」は1日以上30日未満の間、刑務所に収容される刑罰の一種です。

*なお、読み方が同じですが「勾留(こうりゅう)」とは意味が全く異なります。勾留は刑罰ではありません。勾留は身柄拘束の場面で使われる言葉です。

「科料」は1000円以上1万円未満のお金の納付を命じられる刑罰の一種です。

1万円以上の刑罰がいわゆる「罰金」です。つまり軽犯罪法は「罰金刑」ではありません。

なお、刑事事件において拘留を科されることは稀ですので、軽犯罪法での刑罰も拘留ではなく「科料」を科されることが多いでしょう。

その場合の具体的な金額は、過去の事例からして6000円や9000円とされることが多いです。

また、軽犯罪法の公訴時効(起訴されなくなるまでの期間)は行為時から起算して「1年」です。

軽犯罪法と迷惑防止条例の違い

盗撮やつきまといのような行為は、各都道府県が定める「迷惑防止条例」でも禁止しています。

ただ、迷惑防止条例が禁止している盗撮の対象は、あくまで人の「身体」「下着」です。対して、軽犯罪法が禁止するのぞき見(盗撮を含む)の対象は「場所」です。

したがって、基本的には、被写体に身体、下着が映っていなければ、迷惑防止条例違反に問われることはありません。

ただ、最近では、盗撮する目的でカメラ等を設置、差し向けただけでも(つまり、身体、下着が映っていなくても)条例違反とする旨の規定を設けている自治体も増えてきています。

また、条例のつきまといは嫌がらせ行為の一部として禁止されており、反復して行うことが必要とされています。

したがって、1回限りのつきまといでは条例違反に問われることはないでしょう。他方で、軽犯罪法ではそうした制限がありません。

ちなみに盗撮・つきまといに関する迷惑防止条例違反の罰則は「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」あるいは「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」とされていることが多いです。

軽犯罪法と逮捕について

軽犯罪法で逮捕されることはあるのか、あるとして逮捕後はどのような流れとなるのかについて解説します。

軽犯罪法で逮捕されることはある?

軽犯罪法での逮捕は「通常逮捕」と「現行犯逮捕」です。

もっとも、通常逮捕では、下記の条件が必要です。

  • 住居不定
  • もしくは正当な理由なく出頭に応じない

また、現行犯逮捕では、下記の条件が必要です。

  • 犯人の住居若しくは氏名が明らかでない
  • もしくは犯人が逃亡するおそれがある

ただ軽犯罪法のみで逮捕される事例は少ないのが実情です。

もっとも、他人の敷地内に立ち入り、のぞき見した場合は軽犯罪法の窃視の罪(軽犯罪法1条23号)以外に刑法の住居侵入罪(刑法130条前段)に問われます。

このように、軽犯罪法の罪に加えて他の罪にも問われる場合は、上記条件を満たさなくても逮捕されることがありますので注意が必要です。

軽犯罪法と逮捕後のおおまかな流れ

逮捕後の流れは以下のとおりです。

①被害届の提出&犯罪認知・捜査

②逮捕→逮捕がない場合→在宅事件

③警察の留置場に収容

④警察官による弁解録取→釈放→在宅事件

⑤送致(送検)

⑥検察官による弁解録取→釈放→在宅事件

⑦勾留請求

⑧裁判官による勾留質問→釈放→在宅事件

⑨勾留決定

⑩勾留→釈放→在宅事件

⑪捜査(取調べ、実況見分への立会など)

⑫刑事処分(起訴、不起訴)

以上のとおりとなります。

特にのぞき見(盗撮)、つきまといなどをはじめとする被害者の存在する事件については、被害者からの「①被害届の提出」があってはじめて警察の捜査が始まります。

逮捕されない場合は「在宅事件」として捜査が進められます。

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ただ逮捕されてしまった場合、おおよそ3日間、②逮捕から⑨勾留までの拘束期間が発生します。

さらに、10日の⑨拘束期間があり、 捜査上やむを得ない事由があると認められる場合はさらに最大10日間、延長されることがあります。

加害者の家族等は勾留期間を短くするために、動く必要があります。

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もっとも、②逮捕から⑨勾留までは警察(上記④)、検察(上記⑥)、裁判所(上記⑧)の3つの段階で釈放される可能性があります。

釈放された場合は在宅事件として捜査が進められます。

●刑事処分について

「起訴」と決まった場合、軽犯罪法のみに問われている場合は「略式起訴」されることが多いでしょう。

もっとも、軽犯罪法に加えて他の罪(たとえば、刑法の住居侵入罪など)にも問われている場合は略式起訴ではなく正式起訴され、通常の刑事裁判を受けなければならない場合もあります。

略式起訴、正式起訴のいずれの場合でも、裁判で有罪とされ刑罰(懲役、罰金)を科されれば前科がつく可能性があります。

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不起訴を獲得するには、⑫刑事処分が決まる前に被害者と示談し、その結果を刑事処分の判断権限を持つ検察官に提示する必要があります。

もっとも、示談交渉を始めるには警察から被害者の連絡先等を入手する必要があります。しかし、警察が加害者に被害者の連絡先等を教えることはありません。

警察が被害者の承諾に基づいて得た連絡先等は、弁護人であれば取得できる可能性があります。

つまり被害者との示談交渉、不起訴獲得を希望する場合は、弁護人に被害者との示談交渉を依頼する必要があります。

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まとめ

軽犯罪法では日常的に起こり得る様々な行為を禁止し、違反した者に対して「拘留又は科料」の罰則を科すとしています。

軽犯罪法単独で逮捕されることは稀ですが、他の犯罪にも問われると逮捕される可能性は高まります。

軽犯罪といっても立派な犯罪ですから、逮捕、起訴、刑罰、前科に結びく可能性は十分にあります。こうした事態を避けるには、はやめに弁護士に相談した方がよいでしょう。

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