盗撮の罪名と刑罰。「撮影しようとした」でも犯罪!?

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盗撮の違法性

盗撮行為といえば、「許可をとらず、他人をこっそりと盗み撮ったり、動画撮影する行為」というイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。

最近では、iPhoneを代表とするスマートフォンやタブレットなどの発達、無音カメラや、一見してカメラとはわからない形をしたペン型・腕時計型の小型カメラ、スパイカメラなどが出回っており、盗撮犯罪に拍車をかけています。

一方で、「ゴシップ雑誌の盗み撮りの行為は、違法・犯罪じゃないの?罪にならないの?」という素朴な疑問も出てくるかと思います。

今回は、意外と不明瞭で曖昧な「盗撮」の概要や定義について、どのような法律で規制されており、罪名は何罪にあたるのか、また具体的にどのような行為に罰則が適用されてしまうのかを解説します。

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盗撮は何罪?規制する法律・条例・罪名

盗撮行為は何罪にあたるのか、その法的な定義についてまず確認しましょう。

(1)迷惑防止条例違反の定義と内容

盗撮行為は、基本的には国で定める法律(刑法)ではなく、地方公共団体の議決で成立する「条例」で規制されており、「盗撮罪」という罪名の犯罪もありません。

例えば、東京都迷惑防止条例では、以下の盗撮行為が禁止されています。

  • 盗撮行為が禁止対象となる場所 住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所 (5条1項2号イ)や、公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所又は乗物(5条1項2号ロ)
  • 禁止される行為 人の通常衣服で隠されている下着又は身体を撮影する行為(5条1項柱書、同2号)や、人の通常衣服で隠されている下着又は身体を撮影するために撮影機器を差し向け又は設置する行為(5条1項柱書、同2号)

例えば「電車等で女性のスカートの中を撮影する行為」「トイレにカメラを設置する行為」などは盗撮に当たります。

また、撮影が実際に行われなくても、「カメラを向ける」もしくは「カメラを設置する」だけで迷惑防止条例違反とする自治体が増えてきています。

下表は盗撮の罰則です。

都道府県によって内容は少しずつ異なりますが、以下の金額を目安・相場と考えて問題はないでしょう。

罪名刑罰
迷惑防止条例違反(東京都)
※撮影した場合
1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金(常習犯は2年以下の懲役又は100万円以下の罰金)
迷惑防止条例違反(東京都)
※カメラを向けた/設置した場合
6ヶ月以下の懲役もしくは50万円以下の罰金(常習犯は1年以下の懲役または100万円以下の罰金)
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(2)条例以外に該当する場合|刑法もあり

盗撮は迷惑防止条例以外の犯罪に該当する場合があり、その一つが「軽犯罪法違反」です。

  • 軽犯罪法1条:左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
  • 23号:正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者

また、盗撮の際に他人の家や会社に無断で入り込むと、住居等侵入罪が成立します(刑法130条)。

加えて、盗撮した相手が18歳未満であった場合「児童ポルノ法(児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律)違反」に該当する場合があり、こちらも起訴され裁判になる可能性があります。

その他にも、盗撮した人物に固執している理由が別にある場合「ストーカー規制法」(ストーカー行為等の規制等に関する法律)等に該当する場合もあります。

どこからが盗撮?違法?ゴシップ雑誌の盗撮は犯罪じゃない?

以上で述べたように、迷惑防止条例等に該当する盗撮行為は犯罪になります。

では、厳密に言うと、どこからが犯罪の盗撮にあたるのでしょうか?基準について具体例で考えてみましょう。

例えば、ゴシップ雑誌を発行する会社の記者が、有名人の住居に侵入してカメラを設置したり、中をスマホのカメラで撮影してしまうことがあります。

こういったケースは、当然犯罪になります。

他方で「街中を歩いている」有名人、「飲食店で食事をする」有名人を撮影しただけでは、犯罪になりません。

これは、撮影した場所や対象が、迷惑防止条例や軽犯罪法では制限されているためです。

また、外部から撮影するだけでは「侵入した」とは言えないため、住居等侵入罪にもなりません。

もっとも、撮影やのぞき見に際して暴力をふるったり、他人の物を壊したりした場合には、暴行罪や器物損壊罪が犯罪が成立する可能性があります。

また、刑事責任は問われなくとも、盗撮行為により「プライバシー権が侵害」されたとして、被盗撮者から民事責任を追及される可能性があります。

盗撮で逮捕されたら

ここまで、盗撮の定義等について解説してきました。

盗撮容疑で逮捕された場合、家族はともかく職場や学校などに知れ渡ってしまうと、その後の生活に多大な影響を及ぼす可能性があります(減給処分、免職処分等の懲戒処分、退学処分等)。

可能な限り早く留置場からの解放を目指し、実生活への影響を最低限にする必要があります。

また、不起訴処分にして前科がつかないようにすることも大事です。

これらの活動は、被疑者の家族だけで行うことはかなり難易度が高いです。そのため、盗撮で逮捕されたらすぐに弁護士に依頼するべきです。

弁護士に依頼すれば、以下の弁護活動を行ってくれます。

  1. 取り調べの対応方法について助言をもらえる
  2. 勾留(逮捕に続く長期の身体拘束)を回避するため、検察官に働きかけてくれる
  3. 被害者と示談交渉をしてくれる

特に③の示談は非常に重要です。被害者との示談が成立すれば、検察官が起訴処分をする可能性はぐっと下がります。不起訴処分となれば、被疑者に前科がつくこともなくなります。

刑事事件は時間との勝負です。弁護士は法律や条例違反で逮捕された方を限られた時間で適切に対応するプロフェッショナルですので、逮捕されたらまず弁護士へご相談ください。

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弁護士に相談することで、これらの問題の解決が望めます。
後悔しないためにも、1人で悩まず、今すぐ弁護士に相談しましょう。

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