痴漢における「前科」と「前歴」の違い。その後生活に影響はある?

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1.痴漢事件。「前科」と「前歴」に違いはある?

痴漢事件を起こしてしまった場合、その後の人生や社会生活への影響が気になります。とくに、「前科」がついてしまったことに対する影響について不安になってしまうケースがよくあります。ところで、皆さんは「前科」と「前歴」の違いをご存知でしょうか?実はこの2つには大きな違いがあります。事件後の生活にも影響を及ぼす内容なので、本人だけでなくご家族も確認しておくべきかもしれません。今回は、痴漢事件後の「前科」と「前歴」の違いを解説いたします。

2.「前歴」と「前科」って同じじゃないの?

まず、前歴と前科の違いについて理解していきましょう。

2-1.「前歴」とは、不起訴処分になるケース。

まず、「前歴」とは逮捕され、不起訴処分を受けた場合につくことになる犯罪歴ことです。

不起訴処分になる理由は、

  1. 嫌疑なし
  2. 嫌疑不十分
  3. 起訴猶予

の3つになります。

痴漢行為に関わっている可能性がないと判断された場合、嫌疑なしを理由の不起訴処分に。痴漢行為を行った嫌疑はあるものの証拠が揃っていない場合は、嫌疑不十分になります。痴漢行為はあったが罪が軽く被告人が反省している場合は、起訴猶予という処分になります。

不起訴には3つの理由がありますが、これらの理由で不起訴となった場合は、裁判にかけられることもなく、前科もつきません。前歴がつくのみです。前歴は、社会生活を行う上で問題となることはほとんどありません。ですので、それほど心配する必要はないでしょう。

2-2.微罪処分のケースも。

上記3つの不起訴の理由にならない場合でも、警察官の裁量で微罪処分になるケースもあります。微罪処分とは、簡単に言うと警察官による叱責のみで解放されるケースです。警察官の裁量によるため絶対的な基準ではありませんが、法律上は以下を充たす場合に微罪処分になるケースがあるようです。

  • 初犯で、十分に反省をしている
  • 犯罪による被害が軽微
  • 被害届がない(被害者の処罰意思がないこと)

微罪処分になるケースは、被害金額の少ない万引きや立ち小便など本当に小さな犯罪です。もっとも、最近では微罪処分になるケースは少なく、処分されるケースが増えています。痴漢の場合、被害者に処罰意思があり、迷惑防止条例違反でも逮捕されるケースが多いので、これで処理されるケースはほぼないでしょう。

2-3.「前科」とは、裁判で有罪判決を受けたという事

では、「前科」とは一体何を指すのでしょうか。

「前科」は、起訴後、裁判で有罪判決を受けた場合につく犯罪歴です。懲役や禁固などの重い刑罰だけでなく、交通違反の罰金判決で有罪を受けた場合にも前科がつきます。これは、裁判を簡略化した略式起訴でも同じです。「前科」と聞くと、殺人や放火など大きな犯罪を犯した場合に特別につく記録と思われがちですが、実はスピード違反などの交通違反でも有罪判決を受ければつくものなんです。痴漢事件でいうと、迷惑防止条例違反か強制わいせつで逮捕・起訴され、有罪判決が出た場合に「前科」がつきます。執行猶予判決でも同じです。仮に「無罪」になった場合は、前歴も前科もつきません。

このように、「前歴」と「前科」の違いは、起訴され有罪判決を受けたかどうかです。不起訴場合は「前歴」となり、裁判にかけられた場合は、有罪となった場合に「前科」がつくと理解しておきましょう。

3.「前歴」、「前科」がついたことでの影響

「前歴」がある場合や、有罪判決で「前科」がついてしまった場合、その後の生活への影響も気になりますよ。前科がある場合の生活への影響をみてきましょう。

3-1.就職への影響!履歴書に「前科」は書かなくて良い?

一番多いのが就職への不安です。まず、基本的に知られることはないと思っていてください。前科や前歴は、警察などのデータベースにて保管されていますが、これを一般企業が探すことはありませんし、検索する手段がありません。なので、自分から話さない限り原則として知られることはないでしょう。

また、履歴書に前科を書く必要もありません。プライバシーに関わる事柄なので、むやみに他人に公開する必要はありません。もっとも、前科を確認する企業はあります。この場合、嘘をついてはいけません。場合によっては、経歴詐称で懲戒解雇になる可能性もあります。

痴漢で罰金刑を受け、解雇された受けた場合など、解雇理由を確認されるケースがあります。起訴されて前科がつくと懲戒解雇と職務規定になっている会社はあります。

ただ、転職する際に、その場合、解雇された理由の説明が難しくなってしまいます。

これ以外に問題となりそうなのが、実名報道があった場合です。つまり、ネットニュースに逮捕歴が掲載されたり、それが拡散して2ちゃんねるをはじめとする各種掲示板、SNSに書き込まれると、「名前検索」すれば、すぐに逮捕歴は見つかってしまいます。また、これらを全て削除するには大変の労力を要することになります。

実名報道がなくても、年齢、住所、性別、職業までネットや新聞で報道されると、「あの人ではないか?」と推測や特定ができてしまうため、影響が大きくなります。

3-2.噂による影響(結婚、子供)

では、近所や子どもの学校にバレる可能性はあるのでしょうか。

まず、自分から話さない限り、痴漢の前科や前歴が公になることはありません。もっとも、子どもの学校や近所の人にバレる可能性はゼロではありません。というのも、噂で知られる可能性があるためです。これは、婚約者や友人でも同じです。これから結婚する方は相手に伝えておいた方が良いでしょう。

結婚は、信頼関係が大事です。痴漢事件は女性にとっては、受け入れがたいものですので、受け入れる側の努力も必要になります。結婚後に、「嘘をついた」として責められ信頼関係が崩れてしまうケースもあります。そのまま離婚に発展してしまうケースも想定できます。

また、マスコミによる報道やSNSによる拡散がある場合は、生活への影響が大きいかもしれません。仮に大々的に報道されてしまった場合は、引越しなどにより地域から離れて新しい生活を送る方が楽になるかもしれません。

もっとも、痴漢の場合実名報道をしないように弁護士が働きかけてくれる可能性もあります。逮捕された場合、できるだけ早い段階で相談してみましょう。

4.痴漢の「前科」・「前歴」を消去できる?

では、痴漢の「前科」や「前歴」は一生残ってしまうのでしょうか。消去できるのかご説明します。

「前科」や「前歴」などの犯罪歴は、警察、検察、本籍地の市町村で管理されています。警察と検察では死亡までデータが残ってしまいます。また、これについて削除や訂正もできません。これらの情報は、今後の犯罪捜査や再犯防止のために保管しているそうです。もっとも、これが一般に公開されることはないので安心してください。

本籍地の市町村でも「前科」を記録として保有していますが、刑の言い渡しの効力が消滅すると、消えることになっています。具体的には、刑の終了後から、罰金刑は5年、禁固刑以上は10年間保存されます。こちらも削除・訂正不可です。もっとも、警察や検察のデータと同様に、一般に公開されることはありません。

このように、「前科」や「前歴」は消去することはできません。警察や検察では一生データベースに残ってしまいます。もっとも、これが理由で生活に支障がでることはないと思いますので、過度に心配する必要はないでしょう。

5.痴漢の実名報道とプライバシー権

では、実名報道により不利益を受けた場合、我慢する以外に対処法はないのでしょうか。

憲法14条ではプライバシー権が保障されています。プライバシー権とは、自己に関する情報をコントロールする権利であり、個人的な情報をみだりに公開されない権利のことをいいます。したがって、前科・前歴に関することを公開されない権利もプライバシー権として保障されます。他方で、憲法21条1項の表現の自由の中で報道の自由を保障しています。したがって、報道の自由によって、犯罪を行った事実を報道することが可能になります。

しかし、犯罪後罪を償い、通常の生活を取り戻した後にまで実名報道の余波があることを我慢する必要はありません。例えば、インターネットでの実名報道につき、いつまでもネット上に残っている場合はグーグルなどの検索エンジンに削除請求をすることができます。また、職場や近所などから嫌がらせを受けた場合は警察に相談することもできますし、場合によっては、民事で損害賠償も請求できます。

このように、犯罪歴は、プライバシー権によって保護されるべき事柄です。報道によりその後の生活に不利益が生じた場合は、法律により対処できます。前科があることで、不当な扱いを受けた場合は我慢せず対処すべきです。

6 .実名報道による問題を解決したいなら、弁護士に相談を

実名報道による問題や被害に悩んでいる場合、弁護士に相談してください。以下のようなメリットがあります。

まず、前科をつけないように不起訴処分になるよう尽力してくれます。

痴漢で逮捕されてしまった場合、前歴がついてしまうのはどうしようもありません。しかし、「前科」がつかないようにできる限り不起訴処分になるようアドバイスをしてくれます。また、不起訴処分になるためには、示談が重要です。被害者と弁護士が話してくれることで示談になる確率も上がります。

次に、実名報道をしないように弁護士が働きかけてくれる可能性もあります。
痴漢で報道されてしまった場合、その後の生活に支障が出てしまいます。これを防ぐために弁護士が実名報道をしないよう意見書を提出してくれます。

最後に、実名報道後に、嫌がらせなどの被害を受けている場合に法的対処をしてくれます。引越しや職場を変えることで被害を最小限に抑えることができるかもしれません。それでも、不当な嫌がらせに悩んでいる場合は、弁護士に相談しましょう。法的手段に出る必要があるかもしれません。

このように、弁護士に依頼することにはメリットがあります。その後の生活に関わってくることなので、悩まれている場合は相談をしてみてください。

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弁護士に相談することで、これらの問題の解決が望めます。
後悔しないためにも、1人で悩まず、今すぐ弁護士に相談しましょう。

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