逆恨みが怖いけど泣き寝入りしたくない、痴漢被害者にできることは?

監修
弁護士相談Cafe編集部
本記事は痴漢・盗撮弁護士相談カフェを運営するエファタ株式会社の編集部が執筆・監修を行いました。
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通学や通勤に電車を使う際、女性にとって恐ろしいのが痴漢です。

痴漢被害に遭うと実際には声は出しにくい

痴漢にあったら大声をあげればいい、周りの誰かに助けを求めればいいと口では簡単に言われますが、実際に被害にあうとそう簡単に助けを求められるような状況ではありません。あまりの恐怖に声すら出なくなってしまったり、周りに助けを求める勇気が出せなかったりする女性もたくさんいます。そんな状況をいいことに男性はターゲットの女性に痴漢行為を働きます。

女性を守るために近年「女性専用車両」が登場するようになりました。更に駅員による監視の目が光るようになったり、いざ被害にあったら活用できるアプリが開発されたりなど、痴漢被害にあわないために様々な対策が施されているのも事実です。

しかし実際に撲滅までには至っていないのが事実です。更なる対策が求められている中、実際に被害にあった女性はどうすればよいのでしょうか?

まず周りに助けを求める

まず被害にあった女性にできることは、勇気を出して周りに助けを求める事です。女性1人の力で男性を捕まえるというのは非常に難しいものです。そのため見ず知らずでも周りの誰かに助けを求め、その犯人の男性の身柄を確保する必要があります。そして電車を降りたら真っ先に駅員に報告しましょう。そしてそのまま警察に登場してもらうという流れです。

犯人を捕まえたらまず事情聴取が始まります。どのような状況だったのかなど詳しく話をし、更に確保に協力してくれた人も事情を聞かれることになります。話すのは勇気がいることですが、しっかりありのままを伝えるようにすることが大切です。

残念なことに痴漢というのは冤罪のケースも多く、いくら被害者が被害を訴えた所ですべてを受け入れてくれるとは限りません。満員電車という状況であれば、被害にあったのは事実でも、もしかしたら別の人物による犯行だったかもしれないという恐れがあります。

警察としても冤罪で逮捕するのはなるべく避けたいので、犯人が「やっていません」と言う以上は下手なことはできません。きちんと証拠を揃える必要があります。被害者にできることはその時の状況をきちんと伝えるだけではなく、何か証拠になりそうなものがあればそれを提出することです。

女性にとって痴漢というのは一度あえばトラウマになってしまう場合も少なくはありません。男性が怖くなってしまったり、電車に乗ることができなくなったりと心の傷が残ってしまうものです。そんなツライ体験をしたにも関わらず、きちんとした処罰が与えられないと被害にあった女性としては納得がいきません。

実際に警察の対応に納得がいかなかったという声も少なくはありません。それだけ警察も慎重に動かなければならない状況なのだとも言えるのです。

犯人は逮捕後、必要な措置が行われた上で検察官が裁判所で裁く必要があると判断した場合、事件を起訴することもあります。

加害者との示談をどう向き合うか?

裁判を行う前に犯人側の弁護士から示談を持ちかけられるケースも多くあります。その際の連絡先は検察を通じて弁護士のみが教えてもらえるというふうになっているので、犯人が被害者の連絡先を知ることはありません。そのため連絡先を弁護士が知っているからと言って犯人に伝わることはないので心配はありません。

示談になれば慰謝料の請求もできます。ただ謝罪の言葉をもらってもそれが本心だとは限りません。そんな形に残らないものではなく、きちんと慰謝料という形で残るものをもらうことで被害者の気分も少しは楽になります。

もちろんお金をもらえれば許せるというわけではありませんが、裁判を行うとなると時間がかかりますし、その分精神的にも負担がかかってきてしまいます。その上100%被害女性が勝つとは限りません。それならば弁護士を介してきちんと話をし、示談で済ませるというケースも実際にはたくさんあります。

犯人も仕事の関係で早く拘束を解かれたいと望んでいる場合が多く、特に家庭を持っている人は裁判にまで発展させたくないという気持ちがあるため慰謝料を払ってでも示談で済ませたいという人もいます。

加害者と被害者の示談の意思があれば弁護士もスムーズに話を進めることができますし、この示談が成立して示談書を持っていけば、大抵はその日のうちに犯人は釈放してもらえます。

裁判にどう向き合うか?

もし裁判を行うとなると、犯人の身柄拘束は更にのびることになります。そして起訴されていから約一ヶ月後に最初の裁判が行われます。もし犯人が犯行を認めているのであれば最初の1回の裁判で終わりますが、認めなければその後も裁判は続きます。犯人の家族に証言をもらうこともあります。

被害にあった女性にも証言を求められる可能性もあります。もちろん有罪判決がくだってほしいと思うのが普通でしょう。だからと言って証言に矛盾が生じては信憑性がなくなってしまいます。事情聴取でも言えることですが、被害にあった女性はきちんと事実だけを述べるように心がけましょう。

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