【2018年改正】東京都の迷惑防止条例の内容と盗撮に適用される法令の違い

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1.迷惑防止条例違反とは?普通の刑法との違い

盗撮は、刑法ではなく、迷惑防止条例によって、処罰の対象となることが多いです。

盗撮に関する東京都迷惑防止条例と大阪府迷惑防止条例を例に挙げます。

東京都迷惑防止条例の罰則

■東京都迷惑防止条例(第5条第1項)
何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
二 次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。
イ 住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所
ロ 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所又は乗物(イに該当するものを除く。)

上記の条文のように、迷惑防止条例とは、公衆に著しく迷惑をかけるような暴力的行為、不良行為等を防止することを目的として、自治体によって制定されている条例のことです。

どの都道府県の迷惑防止条例でも、盗撮に対する刑罰は、基本は「罰金刑」です。しかし場合によっては、懲役もありうるという内容になっています。

【罰則】1年以下の懲役又は100万円以下の罰金

大阪府迷惑防止条例の罰則

地方によっては多少内容が異なる場合があります。

例えば大阪府迷惑防止条例では、以下のように規定されています。

■大阪府迷惑防止条例
第6条
第4項 何人も、第1項第2号若しくは、第3号又は前2項の規定による撮影の目的で、人に写真機等を向け、又は設置してはならない。
(罰則)
・1年以下の懲役又は100万円以下の罰金
・常習の場合は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金
・(上記第4項の行為)については、6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金

簡単に言うと、カメラやスマートフォンを公衆トイレ等に「設置する行為」のような前段行為も処罰の対象になっています。

迷惑防止条例の前提知識

下記3点も重要ですので、頭の片隅に入れておいてください。

1.適用される場所
2.時効
3.告訴がなくても起訴できる

1つめは「迷惑防止条例は、居住地のものが適用されるのでは?」と何となく考えている方もいるかもしれませんが、居住地ではなく犯罪行為を行った都道府県の条例が適用されます。県境近くで盗撮をしてしまった人は、行為地の迷惑防止条例を参照する必要があります。

2つ目は、迷惑防止条例は「非親告罪」ということです。被害者からの告訴がなくても起訴することが可能です。

3つ目は、迷惑防止条例違反の盗撮行為の公訴時効は、刑事訴訟法第250条第2項6号の「長期5年以未満の懲役若しくは禁固又は罰金に当たる罪」に該当するため、3年となります。公訴時効が成立するまでの間に起訴されなければ、その後、罪に問われることはありません。

2.盗撮における東京都迷惑防止条例の改正点(平成30年7月)

東京都では、平成30年7月に盗撮に関して、盗撮を禁じる場所の拡充を図るよう迷惑防止条例が改正されました。

具体的には、

改正前:公共の場所における盗撮だけが規制されていた

改正後:私的な場所での盗撮も迷惑防止条例違反の罪で処罰が可能

これには理由があります。スマホ技術の発達ともに、盗撮を行うハードルが低くなったこと、またバレずに巧妙に撮影することが可能となったことで、社会的な関心が高まっていた背景があります。

さらに一般にはあまり知られていませんでしたが、従来の迷惑防止条例では、「公共の場所(つまり電車やエスカレーターなど)」での盗撮しか処罰の対象とされていませんでした。

そのため、私的な場所(会社・職場・学校・ホテルなど)での盗撮は、より刑罰の軽い「軽犯罪法」によって処罰せざるを得ない状況でした。

このように規制が時代に合わなくなってきたことから、近年、各地で、盗撮に関する厳罰化がすすんでいます。

3.盗撮は、現実的には「軽犯罪法違反」の適用が多い

上記のとおり、東京都や大阪府では、迷惑防止条例が改正され、「公共の場所」に限らず、私的な場所でも迷惑防止条例違反の罪に問えるようになりました。

しかし、まだまだ「公共の場所」と限定している自治体も多く、私的な場所の盗撮を罪に問えないことが多いのが現状です。

そのような自治体では、私的な場所での盗撮は、軽犯罪法が適用されます。

・軽犯罪法第1条
左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
第23号 正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者

なお軽犯罪法違反も、迷惑防止条例違反と同じく非親告罪で、かつ公訴時効の期間は、1年になります。

拘留

ここで言う「拘留」とは、「禁錮」よりも軽めの刑罰で1日以上、30日未満の期間で、刑事施設での身柄拘束を受ける刑罰のことです。懲役刑のような労働強制はありません(※作業を請願すれば、作業をすることもできます)。

科料

さらに「科料」とは、「罰金」よりも軽めの刑罰で1,000円以上1万円未満の範囲で、国家に金銭を納める刑罰です。決められた科料を払えないときには、1日以上30日以下の期間で、労役場で労働をすることになります(※お金があるのに、払わない人に対しては、労役場留置ではなく、強制執行がされます)。

軽犯罪法より「住居侵入罪」で処罰される可能性がある

軽犯罪法が罰則が軽いので、刑法の住居侵入罪で処罰されることも多いです。

■刑法第130条
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらず、これらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

ここで言う「住居」は建物の敷地(囲繞地に限る)も含まれます。「邸宅」はマンションの共用部などです。つまり私的な場所全般での盗撮が適用対象となっています。

住居侵入罪では懲役刑があり、科料・拘留のような軽い刑にとどまらなくなってきますので、注意が必要です。

【罰則】3年以下の懲役又は10万円以下の罰金

4.盗撮逮捕の対処法は、被害者と示談交渉をすること

盗撮に対する刑罰は、基本的には罰金刑ですが、態様が悪かったり、繰り返しての犯行だったり、他の前科前歴があったりするなど、情状が悪ければ、懲役刑になることもありえます。

そして、盗撮については、迷惑防止条例、軽犯罪法いずれの法令で処罰されても、前科がつきます。罰金刑も前科です。

前科がつくことを回避するためには、不起訴処分を受けるようにしなければならず、もっとも大切なことは、被害者と示談することです。

そのためには、弁護士に示談交渉を行ってもらい、相応の示談金を払う必要があります。盗撮で捕まった場合や警察に呼び出しを受けた場合には、早急に弁護士に相談しましょう。

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弁護士に相談することで、これらの問題の解決が望めます。
後悔しないためにも、1人で悩まず、今すぐ弁護士に相談しましょう。

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