「盗聴」は犯罪にならない!?発見したらどうすればいい?

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盗聴の罪

1.「盗聴」そのものは違法ではないことがほとんど

「盗聴」とは「盗み聞きをすること」。当人たちの承諾なく、会話や通信などを盗み聞いたり、録音したりすることです。

もし自宅などに盗聴器が設置され、自分と友人や家族との通話が盗聴されていたら…そう思うと気持ちが悪いですよね。しかし実は、盗聴器を購入・設置することに加え、通信を傍受することそのものについては違法ではない場合がほとんどです。
だからこそ「盗聴器」が堂々と販売されているのです。

2.なぜ盗聴=即違法とならないのか

現在の社会では、スマートフォンを含む携帯電話をはじめ、インターネット、無線、テレビ、ラジオなど、いろいろな種類の電波が多く飛び交っています。車でラジオを聞こうとしたら、近くのトラックの無線通信が聞こえてきた…というような経験がある方もいるでしょう。

このように、意図せずたまたま会話などを聞いてしまうという場合が多く想定されるため、そのような悪意のない人が罪に問われることがないようになっているのです。

3.盗聴そのものが罪になる場合

3-1.有線電気通信法違反/電気通信事業法違反

一般的な固定電話に盗聴器などを設置して通信を傍受した場合、「有線電気通信法違反」もしくは「電気通信事業者法違反」となり罪となります。ただし、固定電話であってもコードレス電話機はこの法律の対象外となります。

4.盗聴の前後の行為が違法・犯罪になる場合

有線固定電話の盗聴は上記のとおり違法ですが、携帯電話やコードレス電話機、無線などの盗聴の場合、盗聴行為そのものは違法にはなりません。
ただし盗聴器を設置する前後の行動によっては、その行動が犯罪になることがあります。

4-1.住居侵入罪

盗聴器を設置したり、回収したりする際、他人の住居などに侵入した場合は「住居侵入罪」に問われます(刑法第130条)。

4-2.器物損壊罪

盗聴器を仕掛けるために他人の建物や持ち物(スマホや電話機など)に穴を開けたりした場合、「器物損壊罪」が適用される場合があります(刑法第261条)。

4-1、4-2はいわゆる「盗撮」犯罪でもよく罪として定められやすいものです。

■参考ページ
盗撮の罪名と刑罰。「撮影しようとした」でも犯罪!?
盗撮で後日逮捕されることはあるのか?

4-3.電波法違反

無線通信を傍受して、その内容を第三者に漏らしたり、盗用したりした場合、「電波法違反」となります(第59条)。

4-4.脅迫罪・恐喝罪

盗聴によって得た情報を元に他人を脅迫した場合は「脅迫罪(刑法第222条)」に、同じく盗聴によって得た情報を元に金銭を要求した場合は「恐喝罪(刑法第249条)」に該当します。

4-5.ストーカー規制法違反

盗聴で相手の旅行先などを知り、それを元につきまとい行為などを行った場合「ストーカー規制法」違反となる可能性があります。

5.盗聴器を発見したらどうすればよいか

5-1.罪に問われない可能性あり

有線の固定電話に盗聴器が仕掛けられていた場合、「有線電気通信法違反」もしくは「電気通信事業者法違反」となり、相手は罪に問われる可能性があります。しかしそれ以外(携帯電話、部屋に直接ついていたなど)の場合、盗聴器を設置し、傍受しただけでは罪に問われないのが現状です。
ただし、上記のように、盗聴そのものではなく、その前後の言動で罪に問える場合がありますので、盗聴されたことで具体的になにか被害がなかったか、を考える必要があります。

5-2.盗聴器を見つけた場合、具体的にすべきこと

相手をきちんと特定し、罪に問いたいと思うのであれば、まず「こちらが盗聴に気がついたこと」を相手に悟られないようにしつつ、できるだけ早く警察へ連絡しましょう。

そして「住居侵入罪」「器物損壊罪」「電波法違反」「脅迫罪・恐喝罪」「ストーカー規制法違反」など、盗聴自体ではなく、盗聴に関わることで罪に問えることはないかを考え、警察にそのことを併せて伝えましょう。

具体的には
・住居に入られた形跡がある
・盗聴器設置のため、家具に穴を開けられた
・特定の人にしか伝えていない内容を、なぜか第三者が知っていたことがある
などです。

6.まとめ

「盗聴」そう聞いて良い気分になる人はいないでしょう。しかし、盗聴した犯人を捕まえたいと思っても、多くの人の認識と異なり、盗聴そのものは違法ではないことがほとんどなのです。
自分が盗聴の被害に遭うというだけでなく、自分の家族や友人が盗聴をしてしまうかもしれません。そんな時、「盗聴そのものではなく、それ付随する行動によって罪に問われる可能性がある」ということだけでも覚えておくと、それ以降の対応が違ってくるでしょう。

盗聴に関してなにか不安なことがあれば、一度法律の専門家である弁護士に相談してみるというのも一つの手段です。弁護士は盗聴器を見つけたり、設置した犯人を捜したりすることはできませんが、盗聴されたことによる損害賠償(盗撮の被害にあった場合)の相談や、盗撮に関連して逮捕された人の弁護活動についての相談を受けることができます。
特に刑事事件の弁護活動は早めに相談するに越したことはありませんから、心当たりのある方は一度相談しておくといいでしょう。

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